雑貨を仕入れる前の参考に。売れているネットショップの特徴7選

「雑貨を仕入れてネットショップをやってみたいけど、実際に売れるのかが心配」

これからネットショップや副業ビジネスを考えている方にとって、仕入れた雑貨が売れないかもしれないという不安は、なかなか尽きないと思います。それに売れ筋の雑貨を仕入れたからといって、それで店舗運営がうまくいくとも限りません。

たとえば売れ筋アイテムは、他のネットショップでも同じく取り扱っていることが多いです。そして一般のお客様は、ネット検索で価格やさまざまな条件を比較し、より魅力を感じるネットショップからご購入をされると思います。

つまり、そのショップで“わざわざ”買いたくなるような理由がないかぎり、お客様からは選んでいただけないということ。では一体どんなショップ作りをしていけば、お客様から選ばれる、いわゆる“売れているネットショップ”へとなれるのでしょうか。

ちなみにみなさんは、売れているネットショップにはいくつかの共通した特徴があるのをご存じですか?

私たちはインテリア雑貨・ファッションの企画製造卸メーカーとして、日々たくさんの業者様や小売店様とお付き合いさせていただいております。そして、お客様からさまざまな学びや気付きを得る機会にも、恵まれていると思っています。

そこで今回は、私たちが出会ってきた地道な成功を収められているネットショップや、長年愛され続けているところの特徴をみなさんにもご紹介させていただくことで、ぜひこれからのショップ作りのご参考にしていただけたらと思います。

 

 

今からネットショップを始めても大丈夫?

まず売れる売れないのお話しの前に、これほど世の中にネットショップが増えているのに、今から始めても大丈夫なのでしょうか?

結論からお話しますと、今からでも全然大丈夫です。

むしろこれから、IoT (※注1)やデジタル化がますます進んでいくことを考えると、インターネット販売の重要性はさらに増していくといえるでしょう。
さらに雑貨業界の市場規模(※注2)もまだ拡大中ですので、引き続き世間のニーズが高まっていくことは十分考えられます。

それではまず、ネットショップの大まかなメリットから。

  • 初期費用が実店舗より格段に安い
  • 失敗したときのリスクが小さい
  • 集客範囲が広い

 

仮に雑貨屋さんを実店舗で開業するとしたら、土地のテナント代や什器(じゅうき)、備品、店頭に並べる商品の仕入れなどで、少なくとも数十万~数百万円が必要です。

しかしネットショップの場合、極端に言いますと自宅でパソコンとカメラがあればスタートできます。扱う商材によっては、スマホ1つでのショップ経営も可能になってきているぐらいです。
それだけ初期費用が安く、開業資金も抑えて始められるため、失敗したときの負担は少なくて済むと言えます。まずは商売の経験を積んでおきたい、という場合にもネットショップはおすすめです。

さらに、集客範囲はインターネットを見ているすべての人が対象になります。

これは実店舗を構えて集客をするよりも、はるかに広範囲の人へアプローチができますよね。実際に海外とのネット取引もどんどん活性化していて、国をまたいだ越境 EC サービスもすごく進化しています。世界中にあなたのショップの商品を売ることも、決して不可能ではなくなってきました。弊社でも海外の小売店様向けサイトからの受注が、アジア圏を中心にここ数年で一気に伸びてきています。

 

もちろん、ネットショップには次のようなデメリットもあります。

  • 価格で比較検討されやすく、競合他社との差別化が難しい
  • 商品の実物を確認してもらえないので、サイズやイメージ違い、不良品などでの返品リスクが上がる
  • すべての商品が配送のため、出荷の手間や配送トラブルのフォローが増える

 

他にもいろいろありますが、それは実店舗運営にも大小のメリットやデメリットが存在しますし、売れているショップがデメリットをどう補っているのかを参考にしていただくのもおすすめです。

大切なのは情報をアップデートしていきながら、自分のショップに合った方法やツールをうまく活用していくことだと思います。

 

※注
1)IoT とは「Internet of Things」の略。一般的に「モノのインターネット」と呼ばれ、「身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながる」仕組みのことです。例えば Amazon のスマートスピーカーに「水を買いたい」と話しかけると、人工知能( AI )が膨大な商品リストから候補を出し、自分に最適なものがそのままネットから購入できるような仕組み。IoT を使った買い物体験は、今後さらに進化していくと予想されています。

2)平成 27 – 28 年の雑貨業界の業界規模(主要対象企業 12 社の売上高合計)は 6,585 億円。過去 10 年以上成長が続いており、雑貨人気はまだ加速していると言えます。 ※参考:業界動向サーチ

 

関連記事:「雑貨業界のトレンドと今後のこと

 

売れているネットショップの7つの特徴

スタート時のリスクが少なく、これからのグローバル社会にも対応していけるのがネットショップの大きな魅力。しかし正しい情報やノウハウを理解していないと、お店を成功させていくのが難しいのもまた事実です。

それでは成功している、売れているショップはどのような運営をしているのでしょうか?

ここからは、実際に売れているショップの特徴を7つに絞ってピックアップしていきます。ぜひご参考にしてみてください。

 

1.ストーリー性:あなたのお店の「やらないこと」は何ですか?


実は売れているショップでは、かなり細かい所まで「やらないこと」が決められているのをご存じでしょうか。

お店をするにあたって何をやるか、ではなく何をやらないか。
むしろ何をやらないかが明確にないと、売れるショップにしていくのは難しいかもしれません。

そう、“明確に”がポイントです。

たとえばショップを運営するとき、まずはどんなターゲットに向けて、商材は何を仕入れて、サイトはこんなデザインにして、など最初は何をするかを決めていくと思います。

しかし、「やらないこと」まで決めていくショップは、案外少ないのではないでしょうか。

 

「雑貨の仕入れでは、天然素材やオーガニック商品以外は扱わない」

「 LINE やメルマガの配信は週に 3 回以上は送らない」

「商品画像は自分たちで撮った写真以外、なるべく使わない」

 

など、これらは実際のショップで決められている「やらないこと」の一例です。もちろんこれらお店ごとの決めごとには、長いショップ運営を通じてたどり着いたやり方、というパターンもあると思います。

しかし「やらないこと」がすでにわかっているのなら、それはショップのオリジナリティーや強みになる可能性があります。

 

上記の例でいくと、『天然素材やオーガニック商品しか扱わないのは、大切な家族が安心して使えるようなモノを提供する店にしたいから』という開業前からの思いがこのお店にはあって、これはそのままショップのコンセプトとしても打ち出されました。

LINE やメルマガを週 3 回以上配信しないのは、実はスタッフがまだ少なくて作業的に難しいから、というのが理由でした。ちなみにこのショップは地方で実店舗を経営されていて、途中からネット通販も始められています。

そして、下記のような考えも明確に持たれていました。

『無理して配信を増やしても薄い内容になってしまうし、スタッフのメンタルも心配。それに、そうなったらお客さんにとっても受け取りたい情報ではなくなるはず。自分たちが楽しく働いてないとお客さんにも伝わってしまうから、今はこれ以上の配信はしない。』

この考えからは、このショップがスタッフとお客様の双方をとても大事にしていることがわかります。

実際にこうした経営姿勢や日々の苦労を SNS で発信していくうちに、フォロワーや来店客も増えていき、逆にメルマガをたのしみにしてくれる人も現れはじめました。今はスタッフと店舗も増えて、ネット通販もさらなる拡大をつづけています。

このように実際に売れているショップには、何らかの共感できるようなメッセージや応援したくなるようなストーリーがあって、それが他とは違う強みになっています。

しかしこれはただ個性的なショップを作る、ということではありません。

むしろ売れているショップは、非常にユーザビリティ(利便性)が高く、サイトデザインのトレンドや各種サービスにもこまめに対応されているところが多いです。

そしてストーリーや独自の強みというのは、自分たちの「やらないこと」を明確にすることで、お客様にも伝えていきやすくなります。逆に明確にできないことは、お客様と約束できるようなことではないはずなので、打ち出すべきではありません。

たくさんのショップがあるからこそ、あなたのお店のストーリーを大切にしていきましょう。

 

2.売れる仕組み:コンテンツ作りは、お客様と検索エンジンのため


売れるショップを作るためには、まずお店に来てもらわなければいけません。

ショップがどれほど素敵で、扱っている商品がどんなに魅力的だったとしても、そもそも世間の人に気づいてもらえなければ、お店に来てもらうことすら難しいですよね。

これは実店舗でもそうですし、ネットショップでも同じこと。集客をするために宣伝をしたり、広告を打ったりすることも必要になってきます。

しかし売れているショップは、広告だけに頼っているわけではありません。さらに言うと、広告を全く使っていないショップもたくさんあります。

ではなぜ、売れているショップは集客ができているのでしょうか。

 

その大きな理由は、インターネット検索で上位にいるからです。

特定の検索ワードで上位に来ているからこそ、検索結果でサイトをクリックしてもらう確率が格段に高いわけです。そんなことは今さら言われなくても、みなさんもご存じのとおりかもしれません。

ではもう少し掘り下げて、なぜ検索上位に来ることができるのでしょうか?
理由は大きく 3 つあります。

  1. 圧倒的に知名度や人気があって、サイトへのアクセス数自体が多い
  2. 広告出稿もしくは業者に SEO 対策(※注)を依頼して、意図的に検索順位を上げている
  3. たくさんのコンテンツが評価されて、検索上位に表示されている

 

順番に見ていきましょう。

まず 1 つめの「知名度や人気が高くアクセス数自体が多い」パターンは、検索ワードのジャンルやボリューム数にもよりますが、ごく一部の限られたショップにしか当てはまりません。これは、あらゆる努力や施策が結実したショップとも言えるでしょう。

 

2 つめの「広告もしくは業者を使って意図的に順位を上げる」ですが、もしあなたのショップに資金的な余裕があって、ショップ内の機能や仕組みも整っており、商品やサービスにも自信があるようでしたら、すぐにこのパターンを試すべきです。一番結果が早いです。

しかし、仮に検索結果で上位表示されるようになったとしても、サイトの中身が伴っていない場合はサイトへの訪問数だけが増えて、せっかく来てくれたお客様のニーズを満たすことができないまま離脱されて終わってしまいます。

そしてその場合、二度と戻って来てもらえない可能性が高いので十分注意が必要です。

 

3 つめの「たくさんのコンテンツが評価されて上位表示されている」ですが、これはいま売れているショップが共通して備えている特徴でもあります。コンテンツといっても特別難しいことをするわけではなく、サイト内の仕組みを整えたり、ブログを書いて発信したりすることです。

ではなぜコンテンツをたくさん発信すれば、検索上位に来やすくなるのでしょうか。

それは、Google が評価してくれるからです。

日本の検索サイトは、「 Google 」と「 Yahoo! 」が全体の 9 割以上のシェアを握っています。さらに Yahoo! の検索アルゴリズムは Google のものを使っているため、事実上、Google の寡占状態となっています。

つまり、SEO 対策とは Google 対策ともいえるかもしれません。ではその Google は、一体何を基準に検索順位を表示させているのでしょうか?

Google が掲げる評価基準を簡単にまとめてみました。(※引用元:Googleが掲げる10の事実

  • サイトやコンテンツは、とにかくユーザーファーストであるべき
  • 専門性・独自性を高め、質の高いコンテンツを網羅している
  • ページスピードは遅いよりも早い方が良い
  • 人気のあるページ(被リンクが多い)は評価が高い
  • さまざまな検索行動や検索意図を考慮し、対応している

 

要するに、ユーザーにとって価値のある情報(新しい情報や専門的な知識を得たり、問題が解決できる)を提供すれば、Google は検索結果でユーザーに提供すべきコンテンツだと判断して、上位に表示していくようになります。

するとユーザーの目に触れる機会が増え、クリックされたり、引用やシェアをされるようになればさらに検索順位が上がる、という仕組みです。

つまり、お客様と Google の両方に評価されるようなコンテンツを作っていけば、相乗効果で検索上位に表示されやすくなる、というわけです。

ですので、インスタや各 SNS を頑張って知名度を上げていく、というやり方ももちろん重要なんですが、それよりも、まずはショップの仕組みを整えて、お客様にとって価値のある情報をブログや SNS で発信し、地道に検索結果を上げていく方が近道だと思います。

SEO を意識したサイト作りと、いくつかのポイントを押さえたブログを量産していけば、早ければ半年以内には結果が出てくるはずです。

そして、売れているショップには良質なコンテンツが豊富にあって、アクセスしてくれた人の購買ニーズや問題を解決できるような作りになっています。逆にそこが無いまま、広告や専門業者を使って検索上位を取るだけでは、売れるショップにはなれないでしょう。

まずは自分たちを見つけてもらい、そこから訪れた人に買い物を楽しんでいただき、そしてまた来てもらえるような仕組みが、売れているショップには備わっています。そこの仕組み作りを、まずはしっかりやっていきましょう。

 

※注
SEO 対策(Search Engine Optimization)とは、インターネット検索で自社サイトが上位に表示されるように行う対策のこと。検索エンジン最適化、とも呼ばれます。

 

3.イメージと差別化:商品をわざわざ撮影することの意味


売れているショップの多くは、ほとんどの商品画像を自分たちで撮影されていることが多いです。

しかしメーカー側は、商品画像を提供していないわけではありません。ですので、商品を仕入れたショップは、メーカーの販促用画像を使えるケースがほとんどだと思います。

そしてメーカーによっては、販促用の写真やシーズンごとのビジュアルイメージにこだわりがありますので、クオリティーの高い画像をショップ側は使うことが可能です。

ではなぜ、売れているショップはわざわざ商品撮影をしているのでしょうか。よほど写真のセンスやテクニックに自信があるのでしょうか?

答えはノーです。

誤解を招かないように申し上げますと、プロのカメラマンを起用したり、写真のセンスやテクニックが素晴らしいショップはたくさんあります。でも、その自分たちのセンスやテクニックを披露したいがために、わざわざ商品画像を撮り直しているわけではないのです。

お客様に商品をわかりやすく見せるためと、ショップの雰囲気を維持するために撮っているのです。

メーカー側は毎シーズン多くの商材をリリースするため、1 つ1 つの商品の詳細画像をたくさん用意するのが難しいという現実があります。そのため、商品の素材感や使用イメージなどがどうしても伝わりにくい場合があります。だからショップ側で詳細まで撮影し、一般消費者の方々にわかりやすく紹介されているのです。

ではもう 1 つの、ショップの雰囲気を維持するためとはどういうことでしょうか?

たとえばさまざまなメーカーから商材を仕入れている場合、当然メーカー側の商品画像の雰囲気はバラバラで、それらをすべてそのまま使っていたら、ショップ全体の雰囲気やイメージを保つのが難しくなってきます。

さらに重要なことは、その扱っている商品が御社の独占販売でない限り、他のショップでも取り扱いがあるということ。

これは避けられないことですし、これだけインターネットでの買い物が普通になってしまった今、メーカー画像だけを使っていたら他のショップとの区別がつきにくくなり、ネット上で比較検討された際に、値段やポイント、配送料などで優位に立つしか選んでもらえなくなってしまう可能性もあります。

だから自分たちで撮った写真で他社との差別化を図り、細かい箇所や気付き、注意点や使用イメージなどをお客様に伝えているのです。

そしてそこまでするからこそ、訪れた人はそのショップへの信頼と安心感が芽生え、そのショップで買いたいと感じるんだと思います。

ちなみに、最初から高額なカメラや機材を揃える必要はないと思います。冒頭で触れましたように、今はデジカメやスマホのカメラ機能も良く、メーカー画像に特に不満がないようであれば、それを使いながらオリジナル画像を付け足していっても良いと思います。

※ドロップシッピング(メーカーや卸売業者から直送させる販売形態)が可能なメーカーもありますので、あくまで自分の状況や段階に応じて検討していきましょう。

 

4.超効率主義:ネットショップに欠かせない物流の裏側


ネットショップを運営するうえで、切っても切り離せないのが発送業務

あなたのショップの商品がすべてドロップシッピング(メーカーや卸売業者から直送させる販売形態)でないのであれば、商品が売れるたびに必ず発生してくる作業となります。これは実店舗販売とは決定的に違うところで、ネットショップの場合、売れた商品はすべて発送することになりますよね。

そして、発送業務はショップが繁盛すればするほど時間を取られることになり、それに関するトラブルも増えていきます。

たとえば、ガラスや陶器などの割れ物が配送途中に破損してしまったり、届いた商品がサイト画像の色合いと違う、サイズ感が思っていたのと違うなどのクレーム対応や、誤って別の商品を発送してしまう出荷ミスなど、日々いろいろな事態が起こりえます。それらのリスクを減らせるようにしたり、業務を効率的に管理しておくことがショップ運営には重要です。

では売れているショップは、大量の発送業務をどのようにこなしているのでしょうか?

これはショップごとの経験則や扱う商材の違いなどもあって一概にはいえないのですが、下記のような特徴がありますので参考にしてみてください。

  • 梱包資材の簡略化
  • 荷集めから出荷までが超効率的
  • 在庫管理をしっかり行う
  • 入荷時に必ず検品する

 

梱包資材の簡略化は、ここ数年で一気に加速したのではないでしょうか。
一般消費者は、Amazon や楽天などのスマートな梱包にすっかり慣れてしまっていますので、商品の大きさとは不釣り合いな箱や、粗雑な緩衝材などはマイナスイメージになってしまうので気をつけましょう。ショップによっては大きさの違う梱包箱を何種類も使い分けているところもあります。(多いところでは 10 種類など)

緩衝材はなるべく見ばえの良いものか、新聞紙などを使う場合でも、ぐしゃぐしゃに丸めたりせず、形を整えて最低限の使用にとどめるようにしましょう。

繁盛しているお店はとにかく時間の節約意識が高いので、いざ出荷となると荷集めから梱包、出荷の段取りまでがかなり早いです。

そのために、売れ筋品番は手前に持ってくるなどの商品棚の配置転換、ピッキングしやすい陳列方法、作業スペースの段取りまで、細かい所まで最適化を心がけています。これは繁忙期と閑散期によっても変わってきますし、なるべく閑散期のうちから、各メーカーからの次の入荷時期や占有面積を逆算して備えておくことが大切です。

そして在庫管理がおろそかになると、サイトでの在庫表示と実在庫に差異が生じて機会ロスを生むなど、余計な業務が増えてしまいます。

売れているショップは月に一回は棚卸(※注)をしたり、出荷前の検品などもしっかりされています。あとは、仕入れた商品が自分のショップに入荷した時点で、検品や弱い梱包の強化(割れ物)などをしっかりしておけば、出荷時にとてもスムーズです。さらにサイズなども計測して、商品に異常がないか確認しておけば安心です。
メーカー側も、納品後何日を過ぎると返品や交換はお受けできません、というところが多いので、初期不良は必ず見落とさないようにしましょう。

以上は基本的なことばかりですが、売れているショップほどこういった地味な作業を確実に行い、さらに効率化にも貪欲です。

いくらテクノロジーが進化して便利になっても、人の手が入ることでミスやマイナス要因を作ってしまっては意味がありません。まずは基本をしっかりと効率化したうえで、お店独自の工夫を加えていきましょう。

 

※注

棚卸(たなおろし)とは、決算時や在庫整理時期にすべての在庫商品の数量を確かめることです。その時に帳簿との差異があれば、一致するように調整する必要があります。

 

5.最適な選び方:決済手段はいくつあれば大丈夫?


ところでネットショップには、決済手段はいくつあればいいのでしょうか?

よく見かける種類は、銀行振り込み、代引き、クレジットカード、後払い(コンビニ・銀行・郵便局・ LINE Pay )、Apple Pay などの電子決済、携帯キャリア決済など。

特に電子決済はこれからも増えていきそうですし、正直言ってどれを用意したらいいか分かりにくいですよね。人気ショップのように、とりあえずたくさん揃えておけばいいのでしょうか?

たしかに、支払い時に決済手段が多いとお客様は選択肢が増えて助かりますし、ショップ側は決済不備による販売機会ロスを減らすことができます。

しかし決済手段の導入には、注意が必要です。

特にまだショップの規模が小さいうちは、むやみに増やさない方がいいでしょう。

なぜなら、利益が減ってしまう可能性があるからです。

その理由はもちろん、決済手数料にあります。
各決済方法を増やしていくこと自体は、決済代行業者さんのサービスを利用すれば簡単にできます。ただ、それぞれの決済方法をお客様が利用されるたびに、ご利用代金のおよそ 3 ~ 6 %が業者側への手数料として発生します。

そして、その手数料の総額が少ない場合に発生するのが、月額最低手数料です。

たとえば業者大手 A 社の場合、クレジット決済には 4 ~ 5 %の手数料が発生します。そして月額最低手数料は、「 VISA / MASTER / DINERS 」 2,500 円、「 JCB / AMEX 」 1,000 円の合計 3,500 円です。

つまり、毎月のクレジット決済での売上手数料が仮に 3,500 円以下であっても、必ず 3,500 円は A 社にお支払いしなければなりません。もし月の売上げが 10,000 円だったとしたら、手数料を支払うと 6,500 円しか残らなくなります。

これはオープンしたての頃や副業の方には、結構な出費になるので注意が必要です。

ただし、売上げが伸びてくれば、メリットの方が上回ってきます。手数料が最低金額の 3,500 円を上回れば、それは売上金の 4 ~ 5 %が手数料となります。月に 10 万円を売り上げれば、手数料は約 5 千円というわけです。

決済手数料を 5 %として計算した場合、毎月 70,000 円をカード決済で売り上げれば、月額最低手数料の 3,500 円と同額になります。

つまり、カード決済の売上が月に 70,000 円以上ないと、 5 %以上の手数料が発生するということ。ちなみに A 社ですべての決済を導入した場合は、月額最低手数料は 15,000 円以上にもなります。

では具体的に、最初はどの決済手段を揃えておくべきなのでしょうか?
これに関しては、3 つあれば十分だと思います。

その理由は、このあと挙げる 3 つの手段でほとんどのユーザーニーズをカバーできるからです。それに売れている人気ショップでも、2 ~ 3 種類で長年対応されているところは結構あります。

下記がおすすめの決済手段です。

  • クレジット決済
  • 後払い決済(コンビニ・銀行・郵便局・ LINE Pay など)
  • 銀行振り込み、もしくは代引き

 

そしてほとんどのお客様は、クレジットと後払い決済で対応可能です。

※インターネットで購入する際の決済方法(複数回答)

「クレジットカード払い」( 72.7 %)が最も多く、次いで、「コンビニエンスストアでの支払い」( 34.0 %)、「代金引換」( 29.6 %)、「銀行・郵便局の窓口・ATM での振込・振替」( 26.0 %)となっています。 ※引用元:総務省「情報通信白書」平成30年版

銀行振り込みの人は後払い決済でカバーできるようになってきましたし、代引きはそもそも件数が少ないですが、「受け取り拒否」などのリスクがありますので注意も必要です。

決済手段を増やすということは、そのぶん売上げ処理や管理も煩雑になり、問題発生リスクも高くなるということ。もし人員や業務にまだ余裕がないときは、無理して増やそうとせずに、規模や売上げに応じて段階的に導入していけばいいと思います。

 

6.情報とデータ活用:今のネットショップ運営に必要なこと


商売においては、有利な情報を知っているかどうかで、成功が左右されてしまう場合があります。

たとえば十数年前までは、ネット通販をするお店はまだごく一部でした。ショップ経営といえば実店舗を構えて、その地域の人をターゲットにするのが当たり前の時代。立地や経験、業界とのコネクションなどが商売の有利不利にかなり影響を与えていました。

しかし今はインターネットのおかげで、それらのアドバンテージはそれほど重要ではなくなり、有利な情報は以前よりもずっと手に入れやすくなっています。

そしてネットショップの運営に欠かせない情報も、誰でも知りえるようになっています。
もちろんそれは、アクセスデータのことです。

Google アナリティクスなどの解析ツールを使えば、お客様がどこから来て、どんな行動をし、何に興味を持ってくださったのかなどが詳しく分かります。つまり集客や売上げアップに必要なデータを簡単に得ることができ、初心者でもそれをもとにしたマーケティングが可能です。かつてのように感覚や経験、限られた情報だけをもとに判断をしなくても済むのです。

具体的には、月間訪問者数や購入率、客単価を把握しておき、CVR を 1 %上げるために毎月の訪問者数をあと 300 人増やしたい、そのためにこんなイベントを試してみよう、といった現実的な動きが可能になります。

※CVR とは、Conversion Rate(コンバージョンレート)の略で、Web サイトへのアクセスの内でどれだけがサイトの成果=コンバージョン(商品の購入や申込み)を達成したかの割合を表す指標です。「 CVR(コンバージョン率)=コンバージョン数 / 訪問数(セッション数)」で求めるのが一般的です。

今やこういったデータを活用できている所とできてない所では、雲泥の差が生まれています。ネットショップを運営するときは、必ず解析ツールの確認もしましょう。

言い換えれば、誰でも情報が平等に得られるからこそ、競争が激しい時代でもあります。これから成功していくためには、得られる情報やデータをうまく活用できるかどうかが重要ともいえます。

ちなみに成功されているネットショップで、何のデータ分析もやっていないという所はおそらく無いと思います。あったとしても、再現が難しい奇跡のようなショップだと思いますので、参考にするべきではないでしょう。

 

7.価値と共感:これからのコミュニケーションと SNS


最後は、これからのコミュニケーションと SNS について。
皆さんの中には、Instagram や Twitter 、YouTube などを利用されている方も多いと思います。

これらの各媒体をショップで複数展開する場合、売れているショップのコツとしては、「1つの情報を使い回す」です。

最初から媒体ごとに作り込むのではなく、まずは同じ情報を媒体ごとに加工することを基本にしてみるのがおすすめです。

例)
・サイト →メインの情報掲載
・Facebook・Twitter →その簡易版
・Instagram →その画像だけ
・YouTube →動画で解説
・メルマガ →クローズドな場で伝えたいことなど

そして「売れる仕組み」の項でも触れましたが、ブログを使うことはまだまだ有効だと思います。サイト自体の検索順位を優位にしたり、共感してくれる人やファンになってもらうことへの近道になるからです。

メディアプラットフォームの note(ノート)でブログを公開する人も増えており、2019 年 1 月に月間アクティブユーザー数( MAU )1,000 万人越え、会員登録者も 100 万人を超えています。

今の時代は有名人やクリエイターでもない一般人が何かを発信し、共感してくれる人がいれば簡単にマネタイズできる仕組みが整ってきた社会。それに、1日の中でこれだけネットにつながる時間が多いということは、それだけマインドシェア(消費者が何かしようと思った時に浮かぶファーストチョイス)の重要性が高まっているともいえます。

人気ショップの方々は、そのマインドシェアを取るための消費者との接点を必ず押さえていて、複数媒体を育てたり、情報収集をしながらどんどんアップデートをされています。

そして、今後のコミュニケーションではインフルエンス(影響力)を持つことは引き続き重要ですが、それよりも、お客様にとって本当に価値のあるコンテンツを提供することが大切だと思います。

そうすれば、たとえフォロワーがいない新参者であっても、平等に価値を評価されるような仕組みがテクノロジーの発達で整いつつあるのですから。

 

まとめ

ネットショップの運営は、今から始めていただいても全然大丈夫です。

なぜなら、雑貨業界を含めネット通販はまだまだ成長中であり、開業時の初期費用も安く、失敗したときのリスクも小さいから。

そして、売れているネットショップに共通する特徴は、ストーリー性、売れる仕組み作り、ショップイメージの差別化、物流の効率化、最適な決済手段、情報とデータの活用、価値のあるコミュニケーションの発信。

以上、「雑貨を仕入れる前の参考に。売れているネットショップの特徴7選」でした。かなりの長文でしたが、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。

このブログが、あなたのショップ運営のお役に立てれば幸いです。

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