“何を売るか”よりも、“誰に買ってもらうか”が大切な理由。ペルソナとターゲット

ペルソナとターゲットは、ショップ経営やビジネスをしていくうえでは欠かせない大事な要素です。ここではペルソナの説明や、自分たちのターゲットを認識しておくことの重要性、さらには商品を売ることの本質についてもお伝えできたらと思います。

ぜひ、これからのビジネスのご参考にしてみてください。

 

 

ターゲットについて

さっそくですが、売れそうな商品を仕入れても思うように売れない、ということは残念ながらよくある話です。しかしその商品をずっと並べておくわけにもいかず、最終的には値下げをして在庫処分する、というのもよくあることかもしれません。
ではなぜ、自分が良いと思って仕入れた商品がそんなことになってしまうのでしょうか。

その大きな原因は、『誰に買ってもらうか』が明確になっていないからです。

たとえばいくら素敵な商品を扱っていたとしても、それがどんな人にとって素敵なのかがはっきりしていなければ、的確にアピールすることができません。誰に向けた商品なのかがあいまいだと、商品紹介や発信の仕方も万人受けを狙ったありきたりなものになってしまい、結局誰の心にも響かずに目移りされてしまうでしょう。

仮にそういった打ち出しで売れたとしても、どんな人がなぜ買ってくれたのかがきちんと把握できないので、売れるパターンを効率よく再現することができませんよね。

購入者の特徴がバラバラだと仕入れや店作りもバラバラになってしまいますし、お客様にとって有益なイベントもきちんと組めず、結局は値下げなどのメリットを提案するしかなくなってしまうかもしれません。

『誰に買ってもらうか』を明確にすることは、ターゲットを決めていくことにもつながります。ここではそのおすすめのやり方をご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてください。

 

ペルソナ設定とは?

ショップやブランドのターゲットを決めていく方法はいくつかあると思いますが、ここではペルソナ設定をご紹介します。

ペルソナ設定とは、自分たちのお客様となるであろう「一人の架空の人物」を想定して、その人の趣味や好きなもの、価値観や行動パターンなど、かなり細かいところまでを設定してしまうこと。

具体的には下記のようなことを決めていくのが一般的です。

・年齢

・性別

・家族構成

・血液型

・職業

・年収

・学歴

・趣味

・休日の過ごし方

・インターネットや SNS の利用状況

・好きな食べ物

・好きな雑誌

・好きな映画

・好きな音楽

・好きな芸能人

企業やブランドによってはもっと細かい設定をされているところもたくさんありますが、ショップ運営でもある程度細かくしたほうがいいと思います。

細かく決めることによってショップのサービスや打ち出し方に一貫性がでますし、自分以外にスタッフの人がいればターゲット像を共有できるようにもなります。また、外部の人に何かを依頼する時にも、このお店のターゲットはどういった人たちなのかはっきり伝えることで、スムーズになります。

従来のマーケティングでは「ターゲット層」と言われるような、主に年齢や性別、属性などざっくりしたものを設定することが普通でした。たとえば、20 代の都会で働く女性向け、40 代の既婚男性向け、など。

しかし人々のライフスタイルがどんどん多様化していく現代では、そうした分類だけではお客様の心理や欲求をつかむことができません。同じ年代でもまったく違う趣味や暮らし方、時間の過ごし方が存在していますので、そうした細かいターゲット像を知ることで的確なアピールが可能になります。

そしてペルソナは、必ず定期的に見直しをしていきましょう。

特に Google アナリティクス(※ Web アクセス解析ツール)などを使ったデータ分析は必須です。アクセスデータを見れば、実際にサイトへ訪れている人や購入してくださっている人が、自分たちが決めたペルソナと合っているかの目安になります。

また、レビュー機能を実装できるようでしたら、こちらも大変有効ですのでおすすめです。

これらの情報から得られたお客様の実態がペルソナと大きくずれている場合は、特に見直しが必要です。さまざまな観点から原因を探りながら、自分たちが想定するお客様と実際のお客様が一致していくようにしていきましょう。

そうすればショップのあらゆるビジュアルや施策に統一感が生まれ、お客様へのアピールは強力なものとなり、商品も売れやすくなっていくはずです。

 

商品を売ることの本質

最後に、ペルソナは最初からあまりガチガチに決めてしまうと、『どこにも存在しないような人』ができあがってしまうことがあります。あくまで実際のデータにもとづきながら考えていき、ショップの USP (※注)やコンセプトと連動させていくことが重要です。

そして商品を売るということは、未来も一緒に売ることと同じです。
お客様は商品が欲しいのではなく、その商品を買うことで得られる『未来』を欲しています

料理が上手くなりたい人に包丁を売るとしたら、「品質にこだわりました!」というよりも、その包丁を使うことでできるようになる料理やイメージなどの未来をお伝えする方がきっと喜んでいただけます。

お客様を知ることは、その分たくさんの喜びや幸せをお届けできるようになるということ。『何を売るか』はもちろん大事ですが、『誰に買ってもらうか』もぜひ大切にしてみてください!

 

※注
USP(Unique Selling Proposition)とは、自分たち独自の強みや価値を顧客へ提案すること。

関連ブログ:USP ってなに?ショップの強みやストーリーを言語化する方法


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