USP ってなに? ショップの強みやストーリーを言語化する方法

今回は、USP(Unique Selling Proposition)についてわかりやすくご紹介させていただきます。USP はショップコンセプトやブランディングにもつながるような、とても重要なマーケティングの考え方です。

ここでは USP についてはもちろん、あなたのショップの強みやストーリーを言語化する方法についてもお話させていただきますので、ぜひショップ運営のご参考にしていただけたらと思います。

 

 

USP ってなに?

USP(Unique Selling Proposition)とはもともとアメリカで提唱されたマーケット理論で、自分たち独自の強みや価値を顧客に提案する、という意味です。

これを簡単にいってしまえば、“あなたのショップ独自の強みを言語化しましょう”ということになります。

これがあれば、たとえ素晴らしいショップストーリーや感動的なメッセージがあなたのお店になくても、お客様から選んでいただける理由ができてしまいます。

なぜなら、あなたのショップが何屋さんで、店の売りは何で、どんなメリットがあるのかをパッと見てわかるようにするのが USP だからです。キャッチコピーのような感じをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

 

具体的な成功例

とはいいましても、なかなか最初はピンとこないもの。
そこで具体的な成功例として、有名企業の USP をご紹介します。代表的なものは、なんといっても次に挙げるドミノピザの例が一番わかりやすいと思います。

『焼きたての熱いピザを、30分以内にお届けします。それ以上お待たせしたら、無料で構いません!』

この USP ができた当時、宅配ピザは注文から配達まで時間がかかるのが普通だったそうです。お客様はさんざん待ったあげく、冷えたピザを食べなければいけないことも珍しくはない時代。

しかしドミノピザは、「30分以内」という具体的な配達時間と、できなかった時は「無料にします!」という、顧客にとって強烈なメリットを打ち出しました。

これは、似たり寄ったりだった競合他社との差別化はもちろん、とにかく時間に価値をおく人にあえてターゲットを絞っています。

その結果、ユーザー側はいつ届くのかわからないまま待たなくても済みましたし、もし間に合わなくてもタダになる、というワクワク感まで提供することができたのです。当然、誰かにもこの体験を話したくなりますので、そうなれば口コミとしての宣伝効果も期待できます。
これは広告費にお金を回せない創業間もないお店にとって、大きな力になったことはいうまでもありません。

そのかわり、味や量にこだわるような顧客は最初に切り落としました。

「時間厳守」を最優先するためには仕方がありませんよね。しかし、顧客ターゲットを設定するときの本質は「顧客の選別」ともいわれています。そして当時の宅配ピザの味や量に大差がなかったことを考えると、この USP がいかに秀逸だったかがわかります。

仮にこのとき「焼き立てのおいしいピザが自慢です」と宣伝していたら、ユーザーの心をつかむことはできなかったでしょう。なぜなら、他社も早めにピザを届けることができた時は、アツアツでおいしいに決まっているのですから。

ここで大事なことは、他社にはない独自の価値やサービスを打ち出すこと。

こうして、1960 年にアメリカ・ミシガン州で小さなピザショップとしてスタートしたドミノピザは、いまやアメリカのみならず、アジア、ヨーロッパを中心に世界 50 カ国、7,000 店舗以上の規模になっています。

他にも、ダイソンの「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」「他のどの掃除機よりも確実にゴミを吸い取ります。」などは有名な USP として知られています。

 

ショップストーリーのもとになるもの

これらは極端な成功例ですが、あなたのショップにも何かしら必ず、独自の強みがあるはずです。

まずは他の似たようなショップにはないようなこと、あなたのショップの特徴になりそうなことを書き出してみましょう。ここではどんなにささいなことでも大丈夫です。とにかく思いつくままに書いてみてください。

この作業には、あなたのショップの「やらないこと」について考えてみるのもすごくおすすめです。

関連ブログ:「雑貨を仕入れる前の参考に。売れているネットショップの特徴7選

 

そして次は、その特徴がお客様にどんなメリットをもたらすのかを考えて書き出してみます。最初は長くなったり、うまくまとまっていなくても構いません。

それができたら、あとは短いキャッチフレーズのようにしていってみましょう。ここでのポイントは、「 3 秒」で理解できるように作ることです。

なぜなら、ネットショップには「3秒ルール」とよばれるものがあるからです。

初めてショップを訪れたユーザーは、3秒で「このショップは何を売っているか」「欲しい物はありそうか」「良さそうな店か」などを判断するといわれています。(※20 年程前の研究結果では 8 秒でしたが、ネット環境の進化によって今は 3 秒が一般的な目安)

つまり、3 秒で興味を持ってもらえないようなショップは、さっさと離脱されてしまう可能性が高いのです。

ですのでまずは、あなたのショップの価値をひと目でわかってもらえるような USP を作り、それをサイトのなるべく目立つところに配置することが重要です。これだけでかなりの強みになるはずです。

そして、あなたが USP を作るときに書き出したささいなことの数々は、もしかしたらショップを構成するコンセプトの一つだったり、無意識のうちにあなたが理想とするショップの要素だったりするかもしれません。

それらは、ショップのこれからのストーリーになりえる、大切な“灯火(ともしび)”のような存在です。

その小さな灯火たちは、いまはまだ世間に打ち出せるようなものではないとしても、それを意識しながらショップ運営をしていったり、そのことをだんだん誰かに伝えたり発信していったりすることで、オリジナルなショップストーリーができていくことにきっとつながります。

あなたの小さな灯火を、ぜひ大切にしてみてください。今回作った USP やストーリーの素材は、ペルソナ設定(※注)を組み合わせることでより鮮明になっていきます。

 

※注
ペルソナ設定とは、自分たちのお客様となるターゲット像を細かいところまで決めていくことです。詳しくは関連ブログもぜひ見てみてください。

関連ブログ:“何を売るか”よりも、“誰に買ってもらうか”が大切な理由。

 


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